
ふだんサプリメントを使う人も、使わない人もいます。
世間一般では、年齢にもよりますが使わない人の方が多いでしょう。
私が自然食業界で仕事をしていたときも、周りは使わない人がほとんどでした。
これはどちらでも自由なのですが、使わない派の考えはまとめると概ねこうです。
「栄養はサプリメントから不自然に取るのではなく、食品から自然に取った方が良い」
使わない人はほぼ全員がこう言います。おそらく日本人の8割~9割くらいはこう考えていると思います。
この考え、一見もっともなように聞こえますが、果たしてどうでしょうか。
ポイントは要するに、何が自然で、不自然か、ということですね。
例えば、ある植物の栄養豊富な種子を焙煎したり粉末にしたようなサプリメントと、白ご飯(白米)だと、どちらが自然でしょうか。(白米も稲の種子ですが)
ほとんどの場合、そうしたサプリメントの方が圧倒的に栄養価が高く、白米は自然の米をゴリゴリ削って栄養がほとんどありませんから、自然/不自然で言えば明らかに前者の方が自然です。(白米を食べても特に害があるということはありませんが。)
他にも、例えば有機栽培の野菜と果物を発酵させたエキスのサプリメントと、栄養価の低い土壌で除草剤と農薬をふんだんに使って育てた野菜では、どちらが自然でしょうか。
明らかに、ふつうにお店で売っている野菜の方が不自然なわけです。
ということで、この
サプリメント=不自然
食事=自然
というのは、今の時代は特に良いサプリメントが多く、一般に流通している食品が効率化で不自然に作られているものが多いので、ほとんどの場合当てはまりません。
むしろ逆で、現代風の不自然で偏った食事を補うために、自然のサプリメントを活用できます。
あともう一つある考えは、例えばプロテインなどで聞かれるものですが、
「特定の栄養素だけを抽出したものは取らない方が良い、栄養はまんべんなく食事の中から自然に取った方が良い」
です。
これも、一見もっともで正しく聞こえますが、よくよく見てみると、一般に流通している食品も十分に特定の栄養素のみに精製されていることがわかります。
白米は、玄米から高度に、いわば不自然に炭水化物だけを残したものとも言えます。
白砂糖は、原料の黒糖から糖分だけを高純度に残したものです。
バターは牛乳から脂肪分だけを抽出したものです。
小麦粉は小麦の種子を精製してほぼ炭水化物だけを残したものです。
食塩は自然塩から塩化ナトリウムだけを残したものです。
日常の食品で言うなら、パンケーキや洋菓子などはその最たる例かもしれません。
主に精製小麦粉、白砂糖、バターでできていて、ビタミン、ミネラル、食物繊維等の微量栄養素はほぼ皆無です。純粋にカロリー食品というわけです。
たまには美味しいですが! でもあれでお腹いっぱいにすると、とても背徳感と言うか、やってしまった感が全身にみなぎります…。
もっとひどいのは清涼飲料水(どこが清涼やねん)で、すぐに吸収される精製糖分だけを高純度に含んでいるので、あればかりを飲んでいると確実に精神と肉体に大きな不調と異常をきたします。
このように、サプリメント以前に、すでに世に出回っている食品が十分に特定の栄養素のみを残すべく精製されているわけです。
こうして見ると、しっかりした目的があって成分を残しているサプリメントの方が、単に消費者ウケ=売上だけのために精製している一般の食品よりも良いと言えそうです。
例えば、筋肉を付けたいときにはプロテイン(=タンパク質)のサプリメントが役に立ちます。食事から十分な量のたんぱく質を取ろうとした場合、必然的にたんぱく質以外の栄養素も取ることになります。
肉なら脂肪、
イカならプリン体、
卵ならコレステロール、
という具合です。
しかし、プロテインやBCAAなどのサプリメントを使えば、そういった目的外のものは取らずに必要なアミノ酸だけを無駄なく取ることができます。これは栄養素を抽出して活用する賢明な方法だと言えます。
もちろん、サプリメントでも取り過ぎない方が良い栄養素はあります。(例えばカルシウム、乳製品由来のもの等) そこは注意が必要ですが、それは食事でも同じです。
要するに、
サプリメントでも食事でも高純度化された単体の栄養素はたくさんある
単体で取り過ぎると良くないものに注意すれば、単体のサプリメントはむしろ効果的に活用できる
と言えます。
サプリメントに否定的なイメージを持つ日本人はけっこう多いですが、それはサプリメントを薬と同じようなもの、かつ薬よりも格下でいかがわしいもの、という風に捉えているのでそうなります。人工的に作った薬であれば、なるべく控えた方が良いのは確かです。
しかし、しっかり見ればわかることですが、サプリメントというのは大半が自然界にある食品から作られています。(薬局とかで売っている安い物は合成が多いです。)
薬と同類ではなく、食品と同類のもので、ふだんの食事の偏りを補い、整える、いわば「副食事」というようなものです。なのでサプリメント(supplement=補うもの)と呼ばれているわけです。
「サプリメント=副食事」
ということがわかると、これを適切に活用していけば実生活にかなり役に立つことがわかると思います。
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